キリンビール4種のみくらべ

今日はキリンビールの4種類、 「ラガービール」「一番搾り」「一番搾り・超芳醇」「ブラウマイスター・芳醇プレミアム」を比べてみようと思います。

まずは色合い。「ラガービール」と「一番搾り」、そして「一番搾り・超芳醇」と「ブラウマイスター」がそれぞれほぼ同じ色合い。強いて言えば、「一番搾り」の方がわずかに「キリンラガービール」よりもわずかに薄い黄金色。「一番搾り〈超芳醇〉」と「ブラウマイスター」の2つは見分けがつかない琥珀色。

「ラガービール」については、レモンやライムを思わせる柑橘系の香り。甘味よりは酸味と苦味が前面に出ている。ラガービールらしく、キレがあり、さらっと飲めるので一杯目に軽いおつまみと合わせるのに最適。

キリン ラガービール
4.3

125年以上愛され続けてきた、ホップがきいた日本の代表的なビールのひとつです。輝く琥珀色、爽やかな香り、きめ細かく盛り上がる純白の泡。ホップの量・質・投入時期、そのすべてにこだわり実現した「のどにグッとくるコク・飲みごたえのある味わい」。

  • 度数 5%
  • 甘味 2/10
  • 酸味 6/10
  • 苦味 7/10
  • キレ 6/10
  • コク 4/10

・130年以上愛され続けてきた、ホップがきいた日本の代表的なビール。
・ラガーとは、低温熟成ビールのこと。キリンラガービールは、約マイナス1℃の低温でじっくりと熟成。

「一番搾り」については、ラガーと同じくライムのような香りだが、微妙にこちらの方がホップの華やかなアロマがフレッシュな印象。「ラガービール」より甘味が増したぶん、アタックに厚みがあり、まろやか。キレも中程度あり、余韻を3〜4秒残す心地よい後味なので、疲れているときなど、最初の一杯に少しボリュームが欲しいときによさそう。食中にも。

キリン 一番搾り
4.3

一番搾り製法とは、ビール製造の過程において、素材である麦から最初に流れ出る一番搾り麦汁のみで作る製法。一番搾り麦汁だけを贅沢に使用することで雑味がなく、上品な味わいとなります。一番搾りの原料は麦100%。

  • 度数 5%
  • 甘味 4/10
  • 酸味 4/10
  • 苦味 7/10
  • キレ 5/10
  • コク 5/10

・素材である麦から最初に流れ出る一番搾り麦汁だけでつくる製法。
・原料は麦100%で副原料を一切使わず、麦を贅沢に使用。

「一番搾り・超芳醇」(2020年3月24日発売)は、「一番搾り」と系統はもちろん同じだが、より落ち着きのある、奥行きを感じる香り。先ほどまでのライムのトーンを少し抑えて、ほのかにパイナップルやほのかなマンゴーの香り(あるいは木の皮の香り)を足した感じ。

甘味が抑えられ、力のある酸は「キリンラガービール」に近い。苦味はむしろ少し抑制されている印象。けれどそれよりも印象的なのは、前の2つにはなかった、ワイン(とくに華やかなソーヴィニヨン・ブランの植物的な香り)を思わせる豊かなフレーバー。麦芽よりはホップ(時に柑橘系などの果物、胡椒などの香辛料、花、ハーブ、刈草・干草のようなノートを与える)の働きが前面に出ているように思う。ただし、宣伝にもある通り(「今年はホップの配合を工夫したことで、麦のうまみがより感じられる味覚にブラッシュアップ」)、あくまでも麦芽を感じさせるところに主眼があるのかも知れない。香りとともにコクがあり、それでいてすっと消える端正な女性を思わせるビール。食前、食後、いつでも軽いおつまみと単体で飲んでいたい。

2020年限定醸造 キリン一番搾り 超芳醇
4.4

高濃度一番搾り麦汁「一番搾り 超芳醇」。さらに高濃度に仕上げた特別な一番搾り麦汁。たっぷりな麦のうまみが特長です。

  • 度数 6%
  • 甘味 2/10
  • 酸味 7/10
  • 苦味 5/10
  • キレ 6/10
  • コク 7/10

・ 一番搾り製法”ならではの、上品な麦のうまみがたっぷり味わえながら、雑味がなく飲みやすい味わいに仕上げました。
・“高濃度一番搾り麦汁”を採用することで、麦のうまみがたっぷりと感じられながらも、飲みやすい味わいを実現しました。今年はホップの配合を工夫したことで、麦のうまみがより感じられる味覚にブラッシュアップしました。

「ブラウマイスター」は、「一番搾り・超芳醇」よりもさらに複雑なアロマ。柑橘系を背景に残しつつも、ライチやほのかなパッションフルーツのトーンが感じられる。「一番搾り・超芳醇」がアロマから連想される通り(その延長上にある)フレーバーだったのに対して、「ブラウマイスター」は口に含むととても落ち着いた佇まいの、バランスのとれた味わいだとわかる。「一番搾り・超芳醇」よりはこちらの方が、麦芽を感じて欲しい! というメッセージが伝わってくるよう。華やかなフレーバーではなく、むしろパン・グリエのような焦げたトーンを引き立てることで、こちらは正統派という印象を与える。食中〜食後にもよさそう。

「ブラウマイスター」の特徴はバランスを保ったまま、ビールの厚みを出して、コクを高めたところにあると思う。「一番搾り・超芳醇」がさっと消えていったのに対して、こちらは余韻を長く楽しむことができる。

キリンブラウマイスター
3.9

「キリンブラウマイスター」はその名の通り、マイスターの称号を得たキリンビール醸造職人が原料や製法にこだわり、「飲み飽きることのない、芳醇でしまりのある味わい」という理想を追求したビール。 現在は在庫切れかも。

  • 度数 5.5%
  • 甘味 4/10
  • 酸味 5/10
  • 苦味 7/10
  • キレ 4/10
  • コク 7/10

・豊かな香りを生み出す「毬花(まりばな)ホップ」を使用し、長期熟成で仕上げています。
・ 芳しいホップの香り、きめ細やかな泡、舌に広がる濃い旨みが特長の、「飲み飽きることのない、芳醇でしまりのある味わい」です。