ラ・マスコタ・マルベック 2017

外出自粛が続きます…… 昼から飲みたいのをグッとおさえて、夜から。ここ一か月ほど、フランスのワインを飲めていないのも辛いですが、ここは世界のワインに目を開くチャンスだと思って、ワインエキスパートの勉強がてら、いろいろ試しています。

ということで、アルゼンチンのマルベック(14%)。現在は(一時的に?)ここから買えないようですが、個人的におすすめできる、秀逸なワインです。同じ作り手さんのカベルネも頂きましたが、こちらの方が出来がよいと個人的には(好みもあるけど)思います。

ラ マスコタ マルベック
4.4

黒い果実の風味の中にバニラのニュアンスも。マルベック100%、新樽のフレンチとアメリカンオークで熟成。黒い果実の風味が複雑に溶け込み、同時にスパイシーなニュアンスも楽しめる重厚な1本。時期によっては在庫切れかも。

アルゼンチンといえばマルベック(とトロンテス(白))! といえるほど代表的な地域ですが、じつは管理人は、マルベックといえばカオール! といわれるほどのカオールワインの大ファンなのです。たぶん、マルベック(ちなみに同じ品種がカオールではコット、オーセロワと呼ばれる)という品種とからだの相性がいいのでしょう……

アルゼンチンは緯度が低く(南緯22〜42度)温かいため、標高が高い冷涼な土地でないとブドウがうまく育ちません。標高の高さ(平均900m!)と降水量の低さ(=乾燥)が特徴なんですね。日中と夜間の温度差ゆえに、ブドウは複雑な香りと適度な酸味を維持できるとか。「ア」ルゼンチンは「ア」ンデス山脈の影響を受けているところも押さえておきたいポイントです。

さて、メンドーサ州のこのマルベック、脚がゆっくりと綺麗にでるので、その糖度と度数が想像されます。ローブ(色合い)は青みこそないものの、若さを残したルビー色。輝いています。

アタックからマルベックらしい、力強さと繊細さ。アメリカンチェリーや黒い果実を思わせるトーン、スミレ、バニラの華やかさが豊かな陰に、スパイスも感じられ、後味も続きます。甘味、酸味、苦味のバランスがとてもよい、飲み疲れもなくいつまでも付きあいたい一本。

アルゼンチンはメンドーサ州の山麓で、樹齢40年以上の古木から上質なワインを造るブティックワイナリー。醸造は27年以上の醸造経験を持つロドルフォ・サドラー氏が監修。2014年にはInternational Wine & Spirits Challengeにて「Best Argentinian Wine Producer」としてトロフィーを獲得。今世界中から注目を浴びています。

アルゼンチンにワインづくりを伝えたのはスペイン人宣教師で、現在も生産量1位のメンドーサMendoza(なんと全生産量の8割!)と2位のサン・ファンSan Juanにブドウ栽培が始まりました。1560年のことです。

ちなみにこのメンドーサは、「グレートワインキャピタルズ」という、ワインネットワークに参加している10都市のひとつに数えられています(他には、ボルドー、マインツ、ポルト、スペイン・リオハのビルバオ、サンフランシスコのナパ・ヴァレー、ケープタウン、チリのヴァルパライソ等)。このネットワークをテーマに飲んでみる、というのも面白そうです。

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