今日のひとりワインはこれ!
Domaine de La Ferme Blanche
Cassis AOP Rouge 2016
14%, 17€
マルセイユの東にある地中海沿いの小さな街から。2019年秋のワインサロンで初めて見つけた、カシスの赤(ブースに立っていた、やや慣れない手つきの若者は「カシ」と発音していた。地元民はそう呼ぶとのこと)。ビオワインです。
セパージュ
Mourvèdre(プロヴァンスのカシス、バンドール、コート・ド・プロヴァンスで盛んに栽培されていて、GrenacheやCinsautも用いられることがあります。)
外観
ディスクは中程度。色調はレンガ色で、中程度よりはやや濃く熟成が少し進んでいるようです。色合いの濃さから比較的南であることが予想できそう。脚は比較的はっきり出ていて、糖度やアルコール度数の高さを思わせます。
香り
すぐに分かる特徴は、凝縮された黒い果実fruits noirsとスパイスの香り。より細かく見ると、ドライプルーンやドライフラワー(渇いた感じがある)やラムレーズン、強めの黒胡椒やシナモン、さらに枯葉の混じった下草やなめし革のような、ややソバージュな感じがあります。
味わい
滑らかなアタックの直後、甘みよりは穏やかな酸味がやや上回り、さらに力強いながらも上品なタンニンtanins racésが続きます。酸味が全体を引き締めているイメージで、タンニン・アルコール・凝縮感から総合的に判断して、ミディアム・ボディの枠内に収まるように思います。
点数をつけるなら…
ズバリ、自分がまた飲みたいかどうかの基準で点数をつけるなら、90点! ふだん飲みにちょうどよい、バランスの取れたワインです。
今夜の一言
カシスワインって、日本ではあまり飲まれていないのではないでしょうか? そもそも南仏のワインは太陽のもと、海風を感じながらさらっと開けて味もそんなに覚えていない、というくらいでよい気もします。そんな開放的な気持ちでワインを飲める場、日本にももっとできるといいですね。